2010 Fiscal Year Annual Research Report
エビデンスに基づく危険行動予防プログラムのフレーム構築
Project/Area Number |
20500783
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡邉 正樹 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (10202417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上地 勝 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20312853)
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Keywords | 青少年 / 危険行動 / レジリエンス / アセッツ / 予防プログラム / ストレングス |
Research Abstract |
平成22年度は、20、21年度に実施した中学生・高校生を対象とした危険行動および関連要因に関する調査結果をもとに、危険行動予防教育のためのフレームを構築することを目的とした。この調査では、外的アセッツでは家族や友人の要因が危険行動と関連していること、内的アセッツでは将来の展望と危険行動との関連が明らかになった。近年の危険行動研究の動向では、環境や個人のポジティブな側面すなわち防護要因を重視する考え方が主流になりつつあり、本研究の結果もこれを支持するものであった。これらのエビデンスを基に予防教育を考えるならば、危険行動を誘発するリスク要因よりもむしろ、外的および内的アセッツによって示される危険行動の防護要因を促進することによって、青少年のレジリエンスを高め、その結果として危険行動を防止することになる。すなわちこれがレジリエンスもしくはストレングスに基づく危険行動予防の基本的なフレームとしてとらえることができる。研究課題としては、防御要因に関する概念構造が不確定である点や、使用される専門用語が未整理であることがまず挙げられる。また友人との関係のような環境要因は、危険行動を抑制する半面、逆に促進したりすることもありえるため、慎重な働きかけが必要である。さらに個人的な要因に働きかけるだけでは長期的な効果は期待できないため、環境要因の改善を土台として、個人的要因への教育を推進するのが効果的であると考えられる。
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Research Products
(1 results)