2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500789
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小島 智恵子 日本大学, 商学部, 教授 (70318319)
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Keywords | 原子力 / 原子力教育 / 科学技術史 / 日仏比較研究 |
Research Abstract |
本研究は、原子力教育の歴史に関する日仏比較研究を行うものである。初年度には、初等中等教育に於ける日仏の原子力教育を比較し、第2年度には、フランスの高等機関に於ける原子力教育を調べた。第3年度は以下に述べる仏原子力教育に関する資料収集と日本に於ける新学習指導要領の内容の検討を行った。 1.フランス原子力庁(CEA)アーカイブス保管資料の分析 1946年2月、CEAの科学部門長であったFrederic Joliot-Curieは、科学者会議を設けることを決定した。CEAアーカイブスにて1947-1950年の科学者会議議事録の貴重な資料を見出し、原子力教育に関してどの様な議論がなされていたのかを調べ、初期の仏原子力教育におけるJoliot-Curieのイニシアティヴを明らかにした。また収集資料のデータベース化を行った。 2.Institut national des sciences et techniques nucleaires(INSTN),国立核科学技術研究所長へのインタビュー 第2年度にINSTNの現所長であるTurpin氏にインタビューを行ったが、今年度は1980年代にINSTNの所長であったChelet氏にもインタビューを行い、原子力産業が停滞していた1980-90年代の状況とINSTNへの影響を明確にした。 3.新学習指導要領に関する分析 日本に於ける新学習指導要領を調べ(小中:平成20年3月以降、高:平成21年3月以降)、初年度に調べた旧学習指導要領と比較し、原子力に関する記述がどの様に変化したのかを検討した。 4.学会発表と研究の意義 上記の研究成果を日本科学史学会(発表題目:フランスの原子力技術者教育に関するインタビュー)と日本物理学会(発表題目:仏原子力庁に於ける1940年代の科学者会議議事録)にて発表した。第3年度の研究に関しては、CEA科学者会議議事録を発見し、初期の仏原子力教育に於ける新たな史実を示したことに特に意義があると考える。
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Research Products
(3 results)