2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500794
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Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
三谷 知世 Tokyo National College of Technology, 物質工学科, 教授 (40157532)
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Keywords | 雑草 / 堆肥化 / 糞 / C / N比 / 羊 / 癒し効果 |
Research Abstract |
羊による除草速度は1日1頭生草で5~10kgで、400m^2の矩形区を柵で作り1週間から10日で移動させて、除草区を拡大させた。春から夏までは1ヶ月から2ヶ月で雑草が元の状態に戻ることが分かった。観察結果より、羊が好んで食する草は、茎が柔らかいもの、強いにおいや利尿作用がないもの、毒性がないものであった。導入当初は毒性のあるものを人為的にのぞく必要があるものと考えていたが、実際は全く食さないことからそのような心配はなくなった。 糞量は1日1頭1~2kgであり、含水率は平均70%と低いため、取り扱いは容易である。糞の夏期における平均炭素量は36%、平均窒素量は1.7%、C/N比は21であった。堆肥成分としては十分の値となった。 前述した羊が食さない雑草は、人為的に切除して糞を混ぜて堆肥化を試みたが、糞の含水率が低いため堆肥化は十分に進まなかった。11月に子羊が2頭誕生したことより、羊4頭(うち2頭は成羊)を夜間は小屋に入れて子羊を寒さから守った。この際小屋の床に羊の食さない枯れ草をしいて保温効果を高めた。枯れ草と糞尿の混ざった状態が自然に作られ、これを山積みにして堆肥化を図ったが、塚の規模が小さいため外気による冷却が優勢で、内部温度の上昇は認められなかった。しかし、塚の規模、枯れ草と糞尿のバランスによって堆肥化は可能と考えられる。 12月から3月までの冬から初春にかけてはキャンパスの雑草が少なくなるため、スーパーや農家から提供していただいた廃野菜を中心に干草(チモシー)、濃厚飼料を補強した。子羊は母乳が中心で、成長速度は230g/dayと標準以上であり、冬期はこの方法でよいことが分かった。 11月に予期せぬ出産があったため羊のみの試験となったが、羊は内臓的には山羊と同様であるため、雑草の堆肥化については羊の結果が山羊にも適用できると考えられる。 学内の学生教職員についてはホームページや学内掲示板で羊に関するニュースを発信し、十分癒し効果を発揮した。近隣住民からも癒しスポットとして認知され始めた。
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