2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500794
|
Research Institution | Tokyo National College of Technology |
Principal Investigator |
三谷 知世 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (40157532)
|
Keywords | 雑草バイオマス / 羊 / フンの堆肥化 / 植栽試験 / 癒し効果 |
Research Abstract |
キャンパスの雑草を羊に食させて物質変換し,得られるフンの堆肥化を行った。ケニアで行われている,地中の穴にフンと生ゴミを埋め,シートを被せる方法が最適であった。 フンの肥効を小松菜の植栽試験で確かめた。発酵フン160g/L-赤玉土の場合,市販の発酵牛フン16g/L-赤玉土の場合と遜色ない結果となった。小松菜中の栄養素も市販の小松菜と同程度であった。花壇にも適量を投入して,除草のみならず草花によるキャンパスの美化にも貢献した。 もう1つの雑草バイオマスの有効利用法として,毛の利用を行った。5月に毛刈りを行い,1頭から約2kgの毛を得た。中性洗剤で洗浄後,室温で乾燥し,カード機を用いて毛梳きを行った。毛の有効利用法として,羊のミニチュア製作,フェルト製作を試み,いずれも日用品として十分利用可能であった。更に,化学物質化敏症の原因物質,ホルムアルデヒドの除去能力を実験的に明らかにした。 これらの取組を物質工学科のカリキュラムに反映させた。3年生の創造実験のテーマとして毛の染色や毛の化学物質除去能力の測定を行った。4年生の生化学実験でフンの炭素及び窒素量測定を行い,自然界における物質循環を学ばせた。 以上の成果や癒し効果等について,全校集会で全学生に講演した。また,佐世保高専でも同様の講演を行った。さらに,化学工学会学生発表会や大学コンソーシアム八王子学生発表会で卒研学生が発表し,多くの大学生や教員に情報発信を行った。 当初は山羊を予定していたが,借り受ける予定の牧場の都合および専門家の助言に従い,人への突進や柵を飛び越えるなどの学校における安全管理面を考慮して羊で実施した。雑草バイオマスから堆肥フンのみならず毛まで得られることより,羊を用いることで雑草の有効利用の幅が広がった。なお,山羊も羊も内臓は同様であることから,ここで得られた成果は山羊を用いた雑草バイオマス有効利用法としても適応可能である。
|