2009 Fiscal Year Annual Research Report
「君天型体験学習」の全国展開実施方法の開発と教育効果の分析
Project/Area Number |
20500796
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
室井 恭子 National Astronomical Observatory of Japan, 天文情報センター, 広報普及員 (20465925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
縣 秀彦 国立天文台, 天文情報センター, 准教授 (30321582)
浮田 信治 国立天文台, ALMA推進室, 准教授 (20184989)
福島 英雄 国立天文台, 天文情報センター, 研究技師 (80280569)
古荘 玲子 国立天文台, 天文データセンター, 研究員 (70373040)
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Keywords | 天文教育 / 科学教育 / 科学教育カリキュラム |
Research Abstract |
本年度は、2009年8月17日~20日にかけて姫路市宿泊型児童館「星の子館」を会場に、君天型体験学習「出前君天」をおこなった。高校生の指導には、地元兵庫をはじめ、京都、大阪周辺の大学院生8名と国立天文台の君天スタッフを経験した大学院生等3名が担当し(初めてスタッフをする学生のサポートと指導もおこなった)、国立天文台の研究者もサポートにあたった。なお、参加した高校生は11名で、4名、4名、3名の3班にわかれて研究活動をおこなった。 参加者および指導にあたった学生スタッフへ事後アンケートをとった結果、郡山市ふれあい科学館での実践と同様、天文関連の書籍を集めた「君天文庫」と解析用のパソコンと画像解析ソフト、観測用の望遠鏡、指導スタッフがいれば、研究施設でなくても(天文学者が常駐していなくても)君天型体験学習は実施でき、今後、他の地域や施設でおこなうときに参考となる意義ある研究事例となった。特に、ドーム等に常設されている望遠鏡および宿泊施設を備えた公共天文台では実施しやすいと言える。また、「星の子館」周辺には科学館、大学、高校などが多くあり、8月19日の研究発表会には近隣施設の職員や研究者も参加した。それによって研究施設でなくても、参加者が国立天文台スタッフ以外の研究者と交流する機会を作ることもできた。 また、参加者11名中10名が関東より西側の地域の高校生であり、開催後も4名が「星の子館」に集まって研究を続けた。その4名は日本天文学会2010年春季年会における「ジュニアセッション」でも研究発表をおこなった。これは、日頃から一般市民に公開されている地方の天文台だからこそ高校生が再び気軽に訪れることができ、職員の研究支援が受けやすかったものと考えられる。 今後は、昨年度、本年度の実績に基づいた君天の運営や指導ノウハウを文書化し、公開する。
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