Research Abstract |
本研究では,プロジェクタを使用した講義では画面が切り替わるタイミングで学生の書き写し動作が発生することに着目して,画面の切り替わりと学生の動きの相関を調べることで,学生の講義に対する集中度を評価するシステムを開発している,20年度は,学生の頭部を追跡するプログラムを作成した.具体的には,講義中の学生をビデオカメラで撮影し,時間差分して一定の輝度差がある場所を取り出した後,一定の時間だけ積分することで,頭部位置の候補を取り出した.次に候補領域に対してそれを囲む円形領域を割り当て,フィッティングすることでその中心位置を求めた,最後に,候補領域の半径が一定の範囲にあるものを頭部として取り出し,その中心位置の時間変化を頭部の移動量とした.画面の切り替えは,PCの映像出力をキャプチャして差分を求めることで判定した.この結果を比較して,画面の切り替え時に学生の頭部が動くことを確認した.ただし,書き写す必要が無い場合には,画面が切り替わっても大きな動きが生じないので,判定を誤る恐れがある.そこで,顔の向きも検出して,評価の信頼性を高める改良を進めている.ここまで実装できれば,講義中の学生の集中度を客観的に評価できるようになる.また,中学や高校では黒板を使った授業が一般的なので,教師の板書行動を検出して,教示情報として利用する研究を平行して進めた.この研究では,教室の後ろから黒板を撮影した画像から背景差分で文字領域の候補を検出した.この中には教師の体も含まれているため,収縮と膨張を組み合わせて教師領域を除去した.この画像の画素数の変化を調べることで,板書の開始と終了時刻を検出した予備実験では,5秒間と30秒間の画素数の変化を組み合わせて評価することで,70%の精度で書き始めと書き終わり身判定できた.今後は,色や大きさを利用して判定精度を高め,システムに組み込む.
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