2010 Fiscal Year Annual Research Report
情報基礎教育におけるペア学習組み分け指標の確立とその適用可能性
Project/Area Number |
20500816
|
Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences Junior College |
Principal Investigator |
内田 君子 名古屋学芸大学, 短期大学部・現代総合学科, 准教授 (50241196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 芳彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30175252)
|
Keywords | 情報基礎教育 / ペア学習 / 基礎学力 / パソコン経験 |
Research Abstract |
平成22年度は、まず、平成20年度および平成21年度に得られた研究成果である、ペア内の基礎学力差が小さい、パソコン経験差が大きい、異性の組み合わせで、発話量が多い場合にペア学習効果が高いことを踏まえ、昨年までと同様に、3大学の情報基礎教育演習授業の受講生約280名を対象として、4月に基礎学力とパソコン経験の調査、そして7月にペア学習の実験授業と事後アンケートを実施した。特に今回は、ペア組み分け指標の効果を吟味する目的で、解決課題の違いによる影響を排除するため個人試験とペア試験を同一問題で行った。その結果は、ほぼ平成20年および平成21年度の知見を支持するものであった。 次に、これまでの実践で認められた学習効果の顕著なペア間格差について検討するため、平成21年度のデータを基にペア学習効果の阻害要因について分析を行った。これは、クラス全体の学習効果を向上させるためには、有効なペアの組み分け指標を確立することに加えて、ペア学習の阻害要因を明らかにすることが不可欠だと判断したからである。この結果、ペア学習効果がマイナスのペアは発話量が相対的に少なく、基礎学力差は大きい傾向が認められた。そして、課題の難易度に関して、正答率60%前後の問題で効果が高く、容易な問題および難解な問題で効果が低い傾向がみられた。さらに問題別のペア効果値から、課題の難度によって時間的要因の影響と思われる下降傾向が認められた。これらの研究成果については、FIT2010第9回情報科学技術フォーラム(九州大学)および教科開発学研究発表会(愛知教育大学)で公表された。
|