2011 Fiscal Year Annual Research Report
情報基礎教育におけるペア学習組み分け指標の確立とその適用可能性
Project/Area Number |
20500816
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Research Institution | Nagoya University of Arts and Sciences Junior College |
Principal Investigator |
内田 君子 名古屋学芸大学短期大学部, 現代総合学科, 准教授 (50241196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 芳彦 名古屋外国語大学, 外国語学部, 教授 (30175252)
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Keywords | 情報基礎教育 / ペア学習 / 基礎学力 / 性別 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大学の情報基礎教育にペア学習を導入し、ペアの編成が効果に及ぼす影響を調査することによって、有効なペアの組み合わせとその編成指標を明らかにし、適用可能性を探ることであった。そこで、平成20年度にペア試験と単独試験の実験授業を実施し、達成度の比較およびペア試験時の発話分析を行うことによって効果の高いペアの組み合わせと指標を提案した。平成21年度は同様の実験授業を実践することによって前年度に提案された組み合わせ指標を吟味すると同時にペア学習法の改善を試みた。さらに平成22年度も同様の実験授業を行い、3年間の実践データの分析結果より、基礎学力差が小さい異性のペアが最もペア学習効果が高いことを見出した。 本年度は、基礎学力差と性別の2指標を用いてペア編成した実験群と、乱数を用いてランダムにペア編成した統制群とに二分し、これまでと同じ方法で実験授業を行い、組み合わせ指標の効果を検証した。この4年間の実践は、交付申請書に記載した研究実施計画書と概ね一致している。そして今回、実験群と統制群を比較分析した結果、次のことが明らかとなった。(1)基礎学力差を小さくし、異性ペアとなるよう組み合わせを行なった実験群は統制群と比べて課題達成度が高く、発話量も多いことから、本研究が提案するペア組み合わせ指標は概ね有効に機能したものと判断できる。(2)アンケートにおけるペア学習の好感度やパートナーとの交流、相談量、相談内容の質問項目で実験群の評価が有意に高いことから、組み合わせ指標に基づくペアワークの成果が示されたものと解釈される。 これらのことから、本研究は交付申請書に記載した研究実施計画に即して進められ、大学の情報基礎教育に適応するペア組み合わせ指標を確立するという主たる研究目的を果たしたと思われる。
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