Research Abstract |
本研究め目的は, 高等教育における国際化時代の情報倫理教育プログラムを開発し, その教育効果を従来のものと比較分析・評価するとともに, 効果的な教材を開発するための要件を分析することである。平成20年度は, まずその前提となる使用教材についての調査を行った。私たちは, メディア教育開発センターとの共同プロジェクトとして, 情報倫理ビデオ教材を開発しているが, この教材の内容が諸外国でも適用可能か否かを知るために, ACMのSIGUCCSに当該ビデオ教材の一つのクリップに翻訳した字幕を付加させて投稿したところ, 優秀教材賞を受賞した。これは, 教材内容が, 外国における情報倫理教育でも十分に使用可能であることを示唆していると考えられる。ただし, 字幕に違和感があるといった意見や, 内容の難易度と長さに関してはもう少し検討の余地があることが, 会場でのアンケート調査からわかった。次に, 情報倫理ビデオの内容を視覚化した教材を日本語ベースで開発した。いくつかのパターンを文系の学生を対象とした100人程度の授業で用い, 学生の反応を調査した。学生は, 紙媒体で確認ができる視覚化教材を復習が容易である等の理由で好意的に受け止めるものが多いものの, ビデオだけで十分といった意見も見受けられた。21年度は, 実際に効果評価を行い, ビデオだけで十分と答えた学生, 紙媒体でも配布してほしいとした学生などにカテゴライズし, どのような場合に効果評価に違いが生じるか否かを調査、分析する予定である。このように, 平成20年度は, 視覚化教材の多言語化を進めるための確かな一歩を踏み出したと考えでいる。これらの教材を活用し, 21年度はさらに研究を進める予定である。
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