Research Abstract |
本研究の目的は,高等教育における国際化時代の情報倫理教育プログラムを開発すること,その教育効果を従来のものと比較分析・評価すること,ならびに,効果的な教材開発の要件を分析することである。平成21年度は,平成20年度に作成したマンガ教材とビデオ教材を併用活用した情報倫理教育を本学2600人対象に行った。同じシナリオのビデオ教材とマンガ教材を併用することにより,どの要素が学習に有効であるかを分析した。学習者にとって,解説の説明方法として最も受け入れやすいものは,図的な説明であり,続いて音声であると評価した.図的な説明は,ビデオとマンガの両教材で取り入れることができるものである一方,音声はビデオにしかない要素である.音声で理解することを得意とする学習者とそうではない学習者で,ビデオとマンガの併用学習を行ったところ,音声での理解を得意としない学習者の方が,確認テストの成績が良いという結果となった.これは,マンガ教材を自習教材として配布していたため,音声での理解を得意としない学習者は,両方の教材を用いた学習を行ったことに対して,音声での理解を得意とする学習者は,ビデオのみを視聴して理解したつもりになっていたことが原因と思われる.学習の繰り返し効果は大きいものであり,特に難しい学習項目においては,ビデオとマンガといった異なる五感を刺激する学習教材の併用が重要であると思われる.この知見を生かし,教材の中国語化,韓国語化の教材開発を現在進めている.平成22年度は多言語化された教材を実際に活用し,問題点や効果的な活用等の研究を進める予定である。
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