2010 Fiscal Year Annual Research Report
教授活動ゲームを用いた教師の授業力評価システムの開発
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20500831
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 稔樹 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (60173845)
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Keywords | 教師教育 / システム開発 / インストラクショナルデザイン / 教育評価 / 教授活動ゲーム / ゲーミング・シミュレーション / 模擬授業 / 教授スキル |
Research Abstract |
今年度は、本研究代表者が開発してきた教授活動ゲームのうちの模擬授業ゲームを用いて、指導案に基づく模擬援業を展開しながらユーザである教師と対話を行い、その意思決定の特徴を抽出して、授業力(授業を設計・実施・評価・改善する力)を評価したり、それを向上させるためのフィードバックをしたりする方法を検討し、実装した。具体的には、まず、昨年の数学科教育法で学生が作成した指導案を分析し、彼らは、当該授業で指導した問題解決力育成の重要性は認識しており、身近な生活と関連づけた題材を取り込んで指導計画を立てようとしているが、結局、教え込み型の授業からは脱却できていないことを確認した。また、同じことは、数学教育の本や雑誌で紹介されている現職教員の指導案についても言えることを確認した。このようになる原因は、結局、特定の解法や特定の数学的モデルを良いもの(=正解)と見なし、それを生徒に納得させることが授業の目標になっているからである。よって、これまでの指導案作成に重点を置くアプローチではなく、こちらで用意した指導案に基づき、模擬授業を展開しながら、ユーザである教師の意思決定が、生徒達の学習意欲や問題解決力の育成にどのような影響を及ぼすかを評価、フィードバックする仕組みが重要であると判断した。そして、生徒達の多くが「生活に役立たない」と評価している「図形と計量」の単元について、問題解決力やその背景能力として重要な数学的な見方・考え方を養う授業について、望ましい指導案を作成し、授業力の評価とフィードバックを行うゲーム盤を作成した。その際、当該ゲーム盤を多様な単元で汎用的に活用できるようにするため、指導案データの記述方法やゲーム盤の仕様を検討し、それを動作させるために必要な教授活動ゲームの機能拡張を行った。さらに、学習者の反応を効果的にフィードバックする方法として学習者エージェント機能を追加した。
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Research Products
(6 results)