2008 Fiscal Year Annual Research Report
学習者特性モデルに動的に適応する電子ブックの研究開発
Project/Area Number |
20500847
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 竹俊 Tokyo University of Technology, メディア学部, 教授 (10386766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
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Keywords | 学習者特性 / ユーザモデル / 電子ブック / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究では、学習者特性適応技術を電子ブックに適用し、多様なナビゲーションの制御を行うことで探求学習の支援を行い、その効果検証を行うことを目的とする。 平成20年度は、昆虫を対象にした電子図鑑を開発し、2つの機能を実装した。つまり、第一に、学習者特性に基づいて、ノード間のリンクを開放したり、閉鎖することで、ハイパースペースでの「迷子」の危険を回避する機能、第二に、情報を正確に理解し、知識全体の体系の中にその情報を位置づけることが書籍による学習では主眼となることに着目し、どのページから学習を始めても学習の始点から終点までが一貫した流れで円滑に行われるよう、ページ間やチャンク間の移動を制御する機能である。前者については、学習者のニーズに対応するため、図鑑を自由に閲覧できる図鑑モードと学習参考書のように問題を解きながら読み進めていく学習モードを選択できるようにした。学習モードにおいては、問題の正解・不正解に対応してノード間のリンクが動的に制御される。また、学習者が様々な視点や目的から学習できるよう5つの検索方法(種類・季節・すみか・50音順・昆虫について)を用意し、学習者が選択した検索方法によってノードの構成順序や階層性が組み変わる仕様とした。後者の機能については、ノード間の移動を関連した学習項目のみへ移動できるように制御を行い、さらに、同一階層や異なる階層へ移動しても、最後のページへ辿りつくと、次ページへと読み進める「Nextボタン」が「戻るボタン」に変化しその基点となるページへ戻ることができるナビゲーションを設定した。 教材の評価を行うため、20名の大学生を対象に、本教材の図鑑モードとwebによる探求学習の比較と本教材内の2つのモードの効果の比較の2つの視点から、事前事後のアンケートと事前事後テスト、学習履歴をデータとして検証を行い、本教材に一定の有効性を確認することができた。
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Research Products
(1 results)