2009 Fiscal Year Annual Research Report
学習者特性モデルに動的に適応する電子ブックの研究開発
Project/Area Number |
20500847
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 竹俊 Tokyo University of Technology, メディア学部, 教授 (10386766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
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Keywords | 学習者特性 / ユーザモデル / 電子ブック / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究では、学習者特性適応技術を電子ブックに適用し、多様なナビゲーションの制御を行うことで探求学習の支援を行い、その効果検証を行うことを目的とする。 昨年度は、昆虫を対象にした電子図鑑を開発し、2つの機能を実装した。つまり、第一に、学習者特性に基づいて、ノード間のリンクを開放したり、閉鎖することで、ハイパースペースでの「迷子」の危険を回避する機能、第二に、情報を正確に理解し、知識全体の体系の中にその情報を位置づけることが書籍による学習では主眼となることに着目し、どのページから学習を始めても学習の始点から終点までが一貫した流れで円滑に行われるよう、ページ間やチャンク間の移動を制御する機能を実装し、その効果を検証し一定の効果を確認できた。 平成21年度はこれら2つの機能に加えて、この昆虫図鑑に学習者の学習履歴から取得した集合知を利用したレコメンドシステムを実装し、その有効性を検証した。具体的には、協調フィルタリングの一手法である相関係数法を用い、ある学習者がまだ閲覧していない昆虫の中からその学習者の興味や趣向に適すると予想される昆虫が自動的に抽出され、表示される仕組みを開発した。 この新機能の評価を行うため、28名の大学生を対象に、まず本教材の検索機能を使って10種類の昆虫に関する通常通りの閲覧を行い、その後、新機能を用いた推薦による昆虫15種類の表示を行い、その中で興味のあった昆虫がいた場合、その種類と数をアンケート用紙に記入してもらった。このデータと新機能を使用せずランダムに昆虫が表示された場合に興味のある昆虫の表示が行われる理論的確率とを様々なケースで比較したところ、レコメンドシステムに一定の有効性があることを示す結果を得ることができた。
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Research Products
(1 results)