2010 Fiscal Year Annual Research Report
学習者特性モデルに動的に適応する電子ブックの研究開発
Project/Area Number |
20500847
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 竹俊 東京工科大学, メディア学部, 教授 (10386766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信介 東京工科大学, メディア学部, 准教授 (60318871)
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Keywords | 学習者特性 / ユーザモデル / 電子ブック / 教育工学 |
Research Abstract |
本研究の最終年度にあたり、電子昆虫図鑑を完成させ、その効果の検証のための評価実験の実施とそこで得られたデータの分析を目標として研究を遂行した。まず、電子図鑑については、伝統的な書籍メディアの利点とハイパーメディアとしての特色を同時に活かすために、4つの機能の搭載に成功した。つまり、第一に学習者特性への適応、第二に情報空間内での迷子防止、第三に取得情報の一貫性の保持、第四に知識定着の自己確認である。そして、これらの機能を実現するため、以下の仕様を実装した。 1.図鑑モードと学習モード:学習者のニーズに合わせて、確認テストによるナビゲーション制御の有無を選択できる。無ならば自由に閲覧できる図鑑モード、有ならば学習モードとなる。 2.可変的教材構造:5つのカテゴリー(昆虫の種類、季節、すみか、50音等)で教材の構成が組み換わる。 3.ナビゲーション:迷子防止と一貫性の保持のため、教材のノード間の遷移について、多様な制御を実装した。例えば、ノード内部でのページの遷移の過程で、最終ページに到達すると、最初のページに直接移動できる仕組みとなっている。 4:トピックパスおよび済みマーク:迷子防止のため、トピックパスによって、ノードの遷移を表示し、閲覧が終わったノードには「済」マークが表示される。 5:確認テスト:学習モードの閲覧時は、知識確認のため、各ノードに確認テストを設け、その成績によってリンクを制御し、次の学習へのナビゲーションを行っている。 なお、教材がデータベースと連携し、各学習者の履歴の管理を行うことで、これらの仕様を実現している。 本電子図鑑は完成後に、評価実験を行い、4つの機能の有効性については、第4の機能については、有意な結果を得るまでには至らなかったが、残り3つの機能については、その効果を立証する有意な統計的データを取得することができた。
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Research Products
(1 results)