2011 Fiscal Year Annual Research Report
個別的状況を配慮した個人対応の指導を可能にするeラーニング教授方略の数理モデル
Project/Area Number |
20500851
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Research Institution | Nagoya Women's University |
Principal Investigator |
磯本 征雄 名古屋女子大学, 家政学部, 研究員 (10029994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 一彦 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (00434514)
長谷川 信 岐阜聖徳学園大学・短期大学部, 准教授 (00514952)
吉根 勝美 南山大学, 経済学部, 准教授 (50230785)
今枝 奈保美 名古屋女子大学, 家政学部, 准教授 (80387662)
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Keywords | e-Learning / 教授方略 / 個別学習支援 / 理解度 / 学習指導 |
Research Abstract |
本研究の目的は、e-Learningによる個別学習支援を想定したうえで、これに必要な学習支援方略モデルとこれに連動する学習教材データベースを設計し、その実現可能性を具体的に探求することにあった。最終年度である平成23年度は、前年度までに残された問題点を改善し、研究目的に合わせた個別学習支援の最終調整を行った。 本研究でなされた内容は、数理モデルの定式化、学習教材データベース開発、学習支援ソフトウェア開発に分けられる。数理モデルは、学習支援機能の基盤部分を1階述語論理とファジィ制御理論で記述し、学習者の様々な学習様態を述語名や変数名で記述し、具体的な学習支援機能名や学習教材データベース、科目名などを述語名や変数名の値(データ)として与えることで様々な形態の学習支援方略に柔軟に対応できる。開発整備された学習教材は、(1)教科書に基づく穴埋め問題の自動生成と自動採点、(2)宇宙旅行シミュレーション、(3)知的資質活性化のためのコンピュータ・ゲームであった。穴埋め問題の自動生成は、基礎学力や学習意欲の乏しい学習者のための学習支援に合わせている。宇宙旅行シミュレーションは、興味関心があり学習意欲の旺盛な学習者への支援を重視した学習教材である。コンピュータ・ゲームは、幾何学/力学/論理学などの素養を前提として知的資質の活性化を促すことを目標にした学習教材である。 本研究は、個別学習支援対象である学習者に対して、基礎学力、知的資質、学習方法、学習意欲などを広範に扱った点が重要である。従前の研究では、特定の教科に限定した学習教材とそれによる学習支援機能を扱っている。現実の個別学習場面では、様々な資質の学習者がe-Learningで学習することになり、これに対処するためには学習支援機能の多様性が必要である。本研究の成果は、こうした現場の抱える現実的な課題を包括的に取り扱った点に意義がある。
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