2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンピュータグラフィックスを利用した聴覚障害児用見真似発音練習システムの開発
Project/Area Number |
20500860
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
小田 まり子 久留米工業大学, 工学部, 講師 (20269046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 央 久留米工業大学, 工学部, 准教授 (60437746)
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Keywords | CG / 口唇動作 / Lip Reading / 聴覚障害児教育 |
Research Abstract |
本研究では、聴覚障害児のための見真似発音練習システムを開発することを目的としている。発音練習の際に用いる口唇動作CGモデルは、学習者自身の閉唇状態の顔を基本モデルとしている。また、口唇動作アニメーションは、口唇動作を分析した結果、正同定率(被験者が音声を聞かずに口唇動作のみで発音を同定した割合)が高かった、口唇動作の特徴が掴みやすい話者の口唇動作に基づいた理想的な口唇動作を実現している。従って、学習者は自分の顔に似たモデルによる正しい口唇動作と比較し、その真似をしながら発音練習ができる。 口唇動作モデルCGアニメーションを用いた見真似発音練習の学習効果を調べるため,発音に問題がある幼児8名(5歳児2名、6歳児6名)に本システムを用いた発音練習実験に協力してもらった。実験では、日本語母音と子音(/s/,/m/,/w/)の発音練習を行った。発音練習前後における音声と口唇動作の同定を行う実験の結果、発音練習後、学習者における口唇動作は改善し、発音自体も向上していることが確認できた。 本研究期間中に実施した学習効果評価実験では、聴覚障害児の利用実験までには至らなかった。しかし、学習者毎に用意した口唇動作モデルCGアニメーションは、幼児にも口唇動作の特徴が掴みやすく、見真似発音練習において、口唇動作の誤りを矯正しながら発音練習できることが確認できた。また、幼児にも問題なく利用できるユーザインターフェースであることも確認できた。発音の練習の際、学習者の顔にそっくりなCGモデルをお手本のアニメーションに用いることが、学習意欲の向上や口唇動作の矯正に影響することも分かった。
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