2012 Fiscal Year Annual Research Report
18世紀における流体力学の理論的発展に関する歴史的研究
Project/Area Number |
20500873
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 和行 京都大学, 文学研究科, 教授 (60273421)
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Project Period (FY) |
2008-04-08 – 2013-03-31
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Keywords | 力学史 / 流体力学 / オイラー / ラグランジュ / ガリレオ / 運動方程式 / エネルギーの保存 / Truesdell |
Research Abstract |
今年度は,第一に,18世紀力学史をどのような視点から分析するかという問題を再考し,「Truesdellと18世紀力学」としてまとめた.本研究では,主として流体力学の発展を検討してきたが,その過程で,オイラーを初めとする当時の研究者たちは,現代から見れば,流体力学の他,天体力学,弦の振動,剛体の運動といった様々な問題を同時に扱っており,現代的な学問分野にとらわれては彼らの活動を十分に捉えられないことが明らかになってきた.この点を踏まえて,再度18世紀力学を考察する際の視点について再検討した.18世紀後半においてラグランジュの方法が登場したことの歴史的意義を考察する必要性の重要性が再確認され,とくに19世紀における展開との連関という観点を踏まえて検討することが今後の課題として明らかになった. ラグランジュは『解析力学』において,運動方程式を中心とするオイラーの方法とは異なる性格を持つ方法を提示したが,彼自身は,自らの試みをどのように捉えていたのかという問題を,彼の力学の歴史的記述の検討を通じて考察中である.『解析力学』は二つの版があるが,第二版では改訂がなされており,その変更部分も興味深い内容を持っていると考えられる. 第二に,ガリレオの力学が18世紀とくに前半の力学にどのような影響を与えていたかを,「18世紀力学におけるガリレオ」として学会発表し,現在学会誌に論文として発表する準備を進めている.ガリレオの力学はホイヘンスのものと並んで,18世紀前半の力学に大きな影響を与えているが,具体的には加速の定式化とエネルギー保存則という二つの側面があった.18世紀後半には彼の影響がなくなっていくが,その過程の検討が今後の課題である.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)