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2008 Fiscal Year Annual Research Report

ため池卓越地域におけるハザードマップ作成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 20500894
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

内田 和子  Okayama University, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (00223553)

Keywordsため池ハザードマップ / 防災マップ / 想定浸水区域 / 警戒ため池
Research Abstract

全国に約21万存在するため池は老朽化や維持管理の粗放化から、決壊の危険性の高いものも多い。そのため、ため池が卓越して存在する地域においては、ため池の改修とともに、決壊を想定したハザードマップの作成も必要である。しかし、ため池ハザードマップは河川や土砂災害などの他のハザードマップに比べて、作成が遅れているといわれる。
そこで、全国における他の各種ハザードマップの作成状況を整理した上で、全国の都道府県を対象にして、ため池ハザードマップに関する調査を行い、作成状況を明らかにした。そのうち、特に作成事例の多い府県である京都府、岐阜県、高知県についてはさらに聞き取り調査を行って、作成状況を詳細に調査した。
調査の結果、ため池ハザードマップは全国では紙媒体の地図で約100例が作成されていることがわかった。これに加えて、インターネット画面上に表示される兵庫県のCGハザードマップが163例ある。こうした決壊による浸水区域を想定したハザードマップは、特にため池卓越地域との関連は少なく、大規模地震の想定などと合わせた府県の取り組みの積極性によるものである。これらの県では、想定浸水区域の他、避難場所や避難経路などが地図に記載されていることが多い。また、ため池ハザードマップでは、被害を受ける家屋や耕地が特定されることから、関係者以外非公表の場合が多い。
さらに、決壊による想定浸水区域は示していなくても、決壊の危険のある警戒ため池の位置情報や洪水調節のための流量調節を行うため池の位置を示した防災マップも存在する。この場合は、ため池単独の情報が示されるのではなく、他の防災情報と合わせて示す市町村の防災マップとして作成されている。こうした事例をインターネット上で公開している市町村を調査したところ、24市町があり、これらの市町はため池が卓越する地域に多いことが判明した。
調査結果を総合して、ため池ハザードマップ作成の進展には他のハザードマップ作成のように、根拠法令や作成指針・マニュアルが必要であるといえる。しかし、ため池は農業者組織の財産的存在で、特定の農業者が受益者であり、決壊の際にはその受益者が被害者の中心となるというため池固有の性格から、市町村がハザードマップを作成しずらい状況にあることも判明した。とはいうものの、実際に災害の危険が迫っており、都市化値域においてはため池の受益者以外の被害者も想定されることから、マップの作成は必要性が高い。今年度の結果から、来年度はマップ作成の先進地の事例を分析して、作成進展の方策を探る。

  • Research Products

    (2 results)

All 2009 2008

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ため池ハザードマップの現状2009

    • Author(s)
      内田和子
    • Journal Title

      水利科学 53(印刷中)

  • [Presentation] 現代におけるため池の再生と課題2008

    • Author(s)
      内田和子
    • Organizer
      地域地理科学会2008年度大会シンポジウム
    • Place of Presentation
      岡山大学
    • Year and Date
      2008-06-29

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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