2008 Fiscal Year Annual Research Report
都市縮退時代におけるコミュニティ再生-ドイツ都市政策の新展開-
Project/Area Number |
20500898
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
大場 茂明 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 教授 (10185366)
|
Keywords | 地域計画 / 都市政策 / ドイツ |
Research Abstract |
国内にてドイツ都市政策関連資料や再生事業地区の情報を収集した後、平成20年8月下旬より二週間にわたってドイツ連邦共和国に滞在し、ライン=ルール大都市圏内の6都市・合計8地区におけるコミュニティ再生事業(URBAN, die soziale Stadt, Stadtumbau West)に関する資料を収集するとともに、事業担当者ならびに多文化共生・経済振興施策に携わる地元諸団体に対するインタビューを行い、当該課題に関する事業理念と進捗状況、当面する問題点などに関するインテンシィヴな現地調査を実施した。 この中には、以前より継続調査中であるインナーシティの事業地区(デュースブルク市マルクスロー地区、ドルトムント市ノルトシュタット地区、ケルン市カルク地区)のほか、近年新たにコミュニティ再生に着手した既成市街地縁辺部の地区(ボーフム市ヴェストエンド地区、ドルトムント市ラインシュトラーセ地区)、郊外の高層住宅団地地区(ドルステン市ヴルフェン・バルケンベルク地区、ノイス市エルフトタール地区、ボーフム市フーシュタット地区)も含まれており、地区の性格や担い手、事業目的を異にするほミュニティ再生事業の多様な実態を知ることができた。 あわせて、都市の縮退が進む日独両国における既成市街地再生事業の位置づけや今後の見通し、さらにはポスト工業化社会における都市政策の国際比較について、現地研究協力者をはじめ、関心を同じくする地元研究者と討議を行った。 こうした研究成果の一部は、「インナーシティ再生をめざすEU諸国の取組み」(単著;近畿都市学会(編)『21世紀の都市像-地域を活かすまちづくり-』,2008年に所収)においても言及した。なお、当初予定していたコミュニティ再生事業に関係する諸機関(ドイツ連邦政府建設・空間整備局BBRほか)への訪問は、担当者との調整が付かず実施できなかったので、次年度に改めて行う予定である。
|