2010 Fiscal Year Annual Research Report
東北日本における完新世後期の4回の地球温暖化と大洪水発生頻度に関する研究
Project/Area Number |
20500899
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
松本 秀明 東北学院大学, 教養学部, 教授 (30173909)
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Keywords | 扇状地 / 土石流 / 旧河道 / 名取川 / 衣川 / 自然災害 |
Research Abstract |
1. 仙台平野中央部に位置する名取川および支流の広瀬川が形成した扇状地において,扇状地地形を形成した土砂の供給源でもある旧河道の形成時期,放棄時期について次の成果を得た。扇状地上を流下していた3筋の旧河道地形を特定し,その放棄年代(1,740±20yrBP, 960±30yrBP, 920±30yrBP, 540±20yrBP)を得た。また,扇状地から低地側に流下した旧河道2筋の河道放棄時期(1830±30yrBP, 540±30yrBP)を特定した。 2. 名取川・広瀬川扇状地の直上流に位置する広瀬川中流部において,完新世に形成された河岸段丘地形の詳細区分および形成年代を調査した結果,4段の段丘地形が確認された。形成時期は侵食段丘の完新世I面が9500~9100yrBP,堆積段丘の完新世II面が2010~1700yrBP,完新世IIIは侵食段丘,完新世IV面は堆積段丘であることが求められた。これらにより,河床高度の変化が求められ,下流部に広がる扇状地およびそれを構成する堆積層との対比が可能となった。 3. 岩手県衣川流域に分布する完新世段丘のうち最上位段丘の形成年代を段丘面上に残された旧河道の放棄年代をもとに特定した。その年代は8770±40yrBPであり,広瀬川中流部の完新世最上位面の形成時期とほぼ一致した。 4. 以上から,扇状地の形成およびその直上流部の河谷における河床高度の変動との対応関係を見いだすための資料を得た。
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Research Products
(7 results)