2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20500901
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
佐川 正人 Kushiro National College of Technology, 電気工学科, 准教授 (60435394)
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Keywords | 酸性霧 / 霧捕集 / 視程 |
Research Abstract |
本年度は視程計,風向風速計等の気象観測装置を用いて霧(視程)及び風向風速に関する観測を実施するとともに,気象観測データの解析を行った,並行して酸性霧等の現象を捉えるために昨年度作成及び改良した霧捕集装置を用いて霧を補修し酸性度及び塩分濃度(電気伝導度)を観測した. 酸性度及び塩分濃度を観測する意義は,霧出現時において南風と北風とでは風上に海洋や市街地(工場)の有無により酸性度や電気伝導度に影響が現れると考えたためである.特に,比較的滞留時間の長い霧という現象において酸性度が高いと植生や建造物に与える影響が大きいため,霧の酸性度を観測することは重要である.この重要度を鑑み霧の捕集装置と風向風速計を海岸と湿原終息部の2カ所に設置して観測を行った. これら観測データの解析結果として,事例数が少ないものの,風上に市街地(工場)があると釧路湿原へ流れ込む霧は,同時に観測した風下の霧と比較すると酸性度の高いことが確認できた,一方,釧路湿原から海岸へ流れ出す霧も同様に,市街地を通過することにより酸性度が高くなることが確認できた.釧路地方で発生する霧は海上で発生した移流霧が多くを占めている.よって,海上からの移流霧は市街地(工場)を通過し,釧路湿原に達する場合が多い.つまり釧路湿原に流れ込む霧は酸性度の高い霧が多く流れ込むことが容易に想像できる.これらの結果に対しては意見交換を行い,現象の原因と結果について検討した.
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Research Products
(1 results)