2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Climatological study of the acidic mist on the Kushiro Marsh.
Project/Area Number |
20500901
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Geography
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Research Institution | Kushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
SAGAWA Masato Kushiro National College of Technology, 電気工学科, 准教授 (60435394)
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Project Period (FY) |
2008 – 2011
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Keywords | 気候 / 酸性霧 / 釧路湿原 / 電気伝導度 / 塩分濃度 / 移流霧 |
Research Abstract |
本研究では環境破壊等で問題になっている酸性霧に関して鉛直的分布や平面分布の測定をおこない,その気候学的特徴を明らかにする.酸性霧は森林・湿原の生育・保全に大きく影響を与えている.さらにその濃度によっては人体に影響を及ぼし,日常生活に支障が生じる可能性がある.このため,酸性霧の特徴を明らかにすることは環境研究としても大きな意味があると考える. これまで,酸性雨に関する森林への影響については国内はもとより世界各地において解析・研究が進められている.これらの結果は酸性雨が森林や湿原の衰退に与える影響が大きいことを提示している.他方,酸性霧の生態系への影響は以前から指摘されており,環境省も酸性霧の実態調査をおこない,この観測・調査は山間部という人家の密度が少ない地域を対象としている. 釧路湿原は霧の多発地域に位置しており,同時に湿原と都市とが隣接して共生している世界的にきわめて珍しい社会・自然環境形態を形成している.特に釧路市は約18万人の人口を抱え,2つの製紙工場や多くの水産加工場を有している.これらの経済活動に伴い酸性霧原因物質の排出が予想される.人間の経済・社会活動の結果,排出物が立体構造をもって釧路湿原に酸性霧となって流入していると考えられる.つまり,これまでの山間部を中心とする酸性霧の研究と比較して,より人間活動の影響を受ける酸性霧の研究の視点に立脚することが可能である.
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Research Products
(2 results)