2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20509002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 猛 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特任研究員 (70509851)
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Keywords | 神経科学 / シグナル伝達 / 発生・再生 / 脳・神経 |
Research Abstract |
マウス嗅神経細胞において、cAMPシグナルは軸索投射位置のglobalな位置決めと、10calな軸索の選り分けという異なるステップを制御している。それぞれのステップでは、cAMPシグナルは異なる種類の軸索ガイダンス分子の遺伝子発現を異なる様式で制御している。同じcAMPというセカンドメッセンジャーがこれら二つのステップをどのように区別して制御しているのかを遺伝学的に調べたところ、globalな位置決めには幼弱な嗅神経細胞で発現するGsが3量体Gタンパク質として使われており、一方、より成熟した嗅神経細胞においてはGolfが使われているということが判明した。 GsとGolfは互いによく似たGタンパク質でともにcAMPシグナルの産生を正に制御しているが、幼弱な嗅神経細胞と成熟した嗅細胞とではどのようにして異なる種類の軸索ガイダンス分子が異なる発現様式で制御されているのだろうか?成熟細胞においてGolfを介して入力されるcAMPシグナルは匂い刺激による影響を大きく受けることが明らかとなったが、一方、未成熟嗅神経細胞においてGsを介して入力されるcAMPシグナルは外界の匂い刺激の影響を全く受けないことが判明してきている。そこで、申請者らは、未成熟嗅神経細胞におけるcAMPシグナルは、嗅覚受容体からのリガンド非依存性シグナル(basalsignal)によって生じるのではないかと考えている。今後、basalsigna1について解析することで嗅覚受容体依存的な軸索投射位置決定の分子基盤が明らかになると期待される。
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Remarks |
基盤C
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