2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会的・物理的環境が乳幼児の食行動に与える影響:食育のための実証的研究
Project/Area Number |
20509006
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
上野 有理 The University of Shiga Prefecture, 人間文化学部, 准教授 (50422374)
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Keywords | 食行動 / 発逹 / 離乳期 |
Research Abstract |
食物を介した他者とのやりとりが、乳幼児の食行動に与える影響を調べるため、実験的観察法をもちいた縦断的・横断的観察をおこなった。その結果、前年度までの実験・観察により得られた知見とあわせ、主につぎの3点が明らかになった。1)乳幼児では、食物提示に特異的な行動が5~6ヶ月齢の時点で見られ、その行動の生起には「食物そのもの」ではなく、「食べる他者」の存在が重要である。2)食物が新奇か既知かにより乳幼児の行動の生起パターンには違いが見られ、その違いは内容を変えながら9ヶ月齢および13ヶ月齢で顕著になる。3)6ヶ月齢児と10ヶ月齢児は、摂食にともない表出とれる他者の情動反応にたいして異なる反応を示す。すなわち食にまつわる乳幼児の行動は、離乳期の早い時期から他者とのやりとりに影響を受け、生後約1年の間に大きく推移することがわかる。食事時の乳児をとりまく社会的環境や食のすすめ方を検討する上で有用な資料が得られた。 また食事時の物理的環境が子どもの食行動に与える影響についても調べるため、予備実験をおこなった。平成22年度より実験実施スペースの移転が予定されていたため、本格的な実験を実施するには至らなかったが、移転後すみやかに実験を実施するための基礎的資料を得ることができた。
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Research Products
(6 results)