2009 Fiscal Year Annual Research Report
血液浄化によりアルツハイマー病脳アミロイドを除去する治療システム基本構成の創成
Project/Area Number |
20509008
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
北口 暢哉 Fujita Health University, 医療科学部, 教授 (70508077)
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Keywords | アルツハイマー病 / 血液浄化 / アミロイドβ蛋白 / Aβ / 吸着 / 透析 |
Research Abstract |
1.研究協力組織の拡大 人工透析患者、および吸着材による症例数を確保するため藤田保健衛生大学病院、かわな病院に加えて、知立クリニック、新生会第一病院に参加を求め、各々の倫理委員会での承認を得た。 インクルージョンクライテリアは非糖尿病のおよそ65歳-75歳の透析患者。 2.Aβ吸着材の検討 1)平成21年度の1例に加え、2例のHDC (hexadecyl alkylated cellulose beads)カラムによるβ2ミクログロブリン吸着療法患者の血液採取と背景データ取得を行った。(計n=3) HDCカラム前後で、血中Aβ1-40は50%程度、Aβ1-42は40%程度除去された。ダイアライザーと併用はされているが、全身循環血のAβ1-40、Aβ1-42は各々46%、27%低下し、血中からAβが除去されることを確認した。 2)HDCによるAβの吸着除去メカニズムに関する検討を開始した。 3.ダイアライザーによるAβ除去の検討 1)ダイアライザーのみ施行の透析患者21例(同一患者で異なるダイアライザー素材での施行症例があるため22施行)の血液採取、背景データを取得し、一部はCT測定を行うことができた。 ダイアライザー前後で、血中Aβ1-40は60%程度、Aβ1-42は50%程度除去された。全身循環血のAβ1-40、Aβ1-42は各々53%、28%低下し、ダイアライザー単独でも血中からAβが除去されることを確認した。 2)予備的な解析では、膜素材によってAβ除去能が異なる場合があり、症例数を増やして解析する予定。 3)ダイアライザーによるAβ除去が、濾過によるのか、膜表面での吸着かについて除去機構の検討を開始した。 4.認知能力(MMSE),脳病変(CT)との対比についての解析を開始したが、症例数の追加が必要。 5.ダイアライザー、吸着材とも血中Aβ濃度の低下に関する速度論的な検討を開始した。血液浄化により血管外からのAβの流入、および/または血管内でのAβ産生を示唆する予備的な結果を得たが、さらなる解析が必要。
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