2009 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングと生物光学モデルを結び付けた高濁度水域の水質監視手法の開発
Project/Area Number |
20510003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松下 文経 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (80361319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 武彦 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (90124354)
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Keywords | SDA法 / 異なる時期 / 藻類の種の違い / 優占種 / chlorophyoll-a濃度 |
Research Abstract |
一般的に、湖沼は時期によって優占している植物プランクトン種が異なるため、様々な植物プランクトンが優占する時期に対するSDA法の適用性を検証する必要がある。本研究では、異なる時期のLANDSAT/TMデータが入手できなかったため、霞ヶ浦から採集した湖水サンプルの室内測定結果を用い、前年度で用いたChl-a濃度推定モデルの適用性を検証した。湖水サンプルの採集は、2009年6月から2010年3月の期間に月に一度、5地点で行った。また、湖水サンプル用のエンドメンバー(以後lake-SRSと呼称)については、それぞれの時期と同種の植物プランクトンの培養株の反射スペクトルを測定し、さらに、実湖水サンプルの反射スペクトルによって補正した値を利用した。 霞ヶ浦湖水サンプルを優占種毎にグループ化(珪藻優占、藍藻優占、珪藻+藍藻)し、補正済みのlake-SRS用いて各々のグループのChl-a濃度を推定した結果、珪藻優占、及び珪藻+藍藻の時期においては、前年度で開発した推定モデルから良い精度でChl-a濃度を得ることができたが、藍藻が優占していた時期では推定精度が悪かった。この原因を考えるために、霞ヶ浦に優占する3種類の藍藻株(Microcystis aeruginosa, Anbaena flos-aquae, Planktothrix agardhii)を用いて室内コントロール実験を行った。その結果、得られたChl-a推定モデルは、植物プランクトン種間で違いがあることが明らかとなった。しかしながら、推定モデルの作成に使用するバンドの組み合わせを変えることによって、どの植物プランクトン種でも同程度の精度のChl-a推定モデルが作成できることが明らかとなった。
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