2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510004
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
原 宏 Tokyo University of Agriculture and Technology, 農学部, 教授 (60106226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 園子ドロテア 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (60397015)
野口 泉 北海道環境科学研究センター, 環境科学科, 主任研究員 (10442617)
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Keywords | 乾性沈着 / 窒素酸化物 / 森林 / 林内雨-林外雨法 / インファレンシャル法 / 葉洗浄法 / 模擬葉 / オゾン |
Research Abstract |
本研究では、丘陵地帯における森林の乾性沈着を以下の4つの手法によって測定する予定である。1)大気系の方法である推定法(インフェレンシャル法)、2)森林生態系の方法である林内雨-林外雨法、3)針葉樹および広葉樹の実葉からの洗出し法、そして、4)針葉および広葉の代理表面としての模擬葉からの洗出し法である。平成20年においては、インフェレンシャル法で用いるための大気中の窒素酸化物およびオゾン濃度の測定をアクティサンプラーならびにパッシブサンプラーにより測定した。パッシブサンプラーは、タワー(14.5m)、コナラ林およびスギ林において測定を行い、地表に近付くにつれて、オゾンの濃度勾配が植生によってどのように異なるかについて調査を行った。葉洗浄法については、コナラの落葉期に着目し、葉を洗浄後、10-14日暴露することにより、葉表面への窒素酸化物の沈着量をモニタリングした。葉表面の洗浄後は濃度がみられ、暴露によって表面への乾性沈着の増加が見られた。硝酸態窒素に対して、アンモニア態窒素の沈着が大きいことが明らかになった。スギについては落葉がないため、冬期についても継続して調査を行った。 葉洗浄法では内部からの溶出と葉内部への吸収があるため、採取される沈着物の行方ならびに由来が不明である。また、葉表面への沈着量を森林への沈着量とするためには葉面積の把握が必要である。残る2つの手法(林内雨-林外雨法および模擬葉からの洗出し法)を用い、今後解析を進める。
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