2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510005
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
神田 穣太 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (60202032)
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Keywords | 二酸化炭素 / 東京湾 / 一次生産 / 群集呼吸 |
Research Abstract |
東京海洋大学練習船・青鷹丸の定期観測を利用した観測を継続し、今年度は2010年4月から2010年12月まで各月1回の計9回、大学係船場(東京都港区、または千葉港)と神奈川県三崎港(または久里浜港)の間で縦断観測を行った。また、2010年5月、7月、9月に東京湾奥を東西に横断する広域観測を行った。さらに、東京海洋大学練習艇「ひよどり」による湾奥部過飽和域の詳細調査を、2010年4月、6月、8月、9月、10月の5回にわたり実施した。東京港内(隅田川河口)、荒川河口、羽田・森が崎周辺、横浜港の観測を実施した。これらの観測では、多項目水質センサー(YSI 6920V2-1)を組み込んだpCO_2連続計測システムにより、海水のCO_2分圧(pCO_2)、水温、塩分、クロロフィル蛍光を航走中に同時連続計測した。また、一定時間おきに表層海水を採取し、全炭酸、栄養塩類、全有機炭素、全窒素、全リン分析を行った。海水のCO_2分圧(pCO_2)と大気中のCO_2分圧との差分値から、未飽和・過飽和の判別と、CO_2放出(吸収)フラックスの算出を行った。湾央~湾口にかけての海域は年間を通してCO_2が未飽和で、大気からの吸収が卓越していたことが確認された。湾最奥部は逆に年間を通して過飽和で、大気への放出が卓越していた。最奥部の詳細観測では、pCO_2は大きな変動を示した。春季から夏季には一般に、著しい過飽和が進んだが、2010年6月の観測では著しい赤潮に伴って激しい未飽和状態が観測された。過飽和域形成には、河川水・下水処理水などの低塩分水が強く影響することが示された。
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Research Products
(1 results)