Research Abstract |
漫湖干潟においてマングローブ樹種のメヒルギ個体群の動態に伴う二酸化炭素の吸収機能の推移を明らかにすることを目的として,様々な生態・生理学的な研究を行った。すなわち,5mx125mのベルトトランセクト内を25個に区切り,プロットごとに毎木調査(樹高H,その1/10高での直径D0.1H,樹冠長,樹冠幅),毎月のリターフォールの測定を行った。その結果,4年間に渡る毎木調査及びリターフォールのデータが蓄積された。また,環境省那覇自然環境事務所が50mx50mを伐採したので,各器官とD0.1H^2xHとの相対成長式を作成した。この相対成長式を用いて各プロットの平均個体重を推定し,密度との関係を吟味したところ,両者の間には自己間引きの3/2乗則が成立していることが判明した。また,リターフォールの季節的及び空間的変化に年間の差があるのは枝のみであった。これは台風の頻度に由来することが判明した。更に,現存量の増加量とリターフォール量とからプロットごとの純生産量を推定することが出来た。昨年の4月より個体の呼吸速度の測定を開始し,そのサイズ依存性を認めた。 今後は,これまでの研究結果と今後得られる研究結果を統合し,メヒルギ個体群の二酸化炭素の吸収機能の評価を行う手法として,SEIB-DGVMを用いた評価方法を確立することを目的とする。モデルに改良を加えながら個体群動態に伴う二酸化炭素の吸収機能の推移を評価する。
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