2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリウムマイクロプラズマ原子発光検出チップの開発と環境測定システムの構築
Project/Area Number |
20510012
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中釜 達朗 Nihon University, 生産工学部, 准教授 (50244421)
|
Keywords | 環境分析 / プラズマ |
Research Abstract |
ヘリウムマイクロプラズマを分解・励起源とした低消費ガス・低電力型原子発光検出チップを開発し、環境測定システムを構築することを本研究の目的としている。当該年度は試作した同軸型マイクロプラズマトーチを備えた原子発光検出(AED)チップを既に開発したポータブルガスクロマトグラフ(GC)に搭載し、環境測定システムを構築した。塩素および臭素の検出特性に関し、プラズマ生成条件を検討した。分光器は前年度購入したCCDマルチチャネル分光器を使用した。モデル試料としては前年度と同じトリハロメタンを使用した。試料をメタノール溶液とし、スプリット法によりGCに導入した。予備実験により比較的大きいAED強度が得られた912.1nm(塩素)および889.8nm(臭素)をそれぞれ検出波長とした。ポータブルGCに搭載するラジオ波印加用小型電源ボード(印加周波数250kHz、印加電圧1kV、印加電力5W)を想定し、市販のラジオ波電源で印加周波数250kHzとしたときのヘリウムプラズマが安定に生成する印加電力およびプラズマガス流量か検討した。その結果、印加電力およびプラズマガス流量の最小値は5Wおよび6mL/minであったことから、小型電源ボードが使用可能であることが示唆された。この条件において塩素および臭素のAEDを試みたところ、共に元素検出量5ng以下で良好な直線を示し、ピーク高さにより求めたGC-AEDシステムとしての検出限界は35pg(S/N=3)であった。
|
Research Products
(3 results)