2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリウムマイクロプラズマ原子発光検出チップの開発と環境測定システムの構築
Project/Area Number |
20510012
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
中釜 達朗 日本大学, 生産工学部, 准教授 (50244421)
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Keywords | 原子発光分析 / 環境分析 / ヘリウムプラズマ |
Research Abstract |
ヘリウムマイクロプラズマを分解・励起源とした低消費ガス・低電力型原子発光検出チップを開発し、環境測定システムを構築することを本研究の目的としている。当該年度はフッ素検出を志向した検出器の開発と環境測定システム構築のための前処理法の開発を行った。 フッ素検出に関しては液体クロマグラフィー(LC)への適用を試みた。既に開発した原子発光検出器を既存のLC装置に接続してシステムを構築した。分光器は既に本研究で購入したCCDマルチチャネル分光器を使用した。モデル試料として1,1,1,-3,3,3-ヘキサフルオロ-2-プロパノールを用いたとき、構成元素であるフッ素の原子発光検出に成功した。プラズマ生成条件(印加電力、印加周波数およびヘリウムガス流量)が発光強度に与える影響を明らかとし、最適化条件においてフッ素検出量6μg以下の範囲で良好な直線性(R2=0.997,n=3)、ng/secレベルの検出感度を有することを明らかとした。また、フッ素の原子発光波長を測定波長としたとき、フッ素を含まない化合物に対して応答を示さなかったことからフッ素の選択的検出が可能であることを示唆した。 前処理法の開発に関しては、微小液滴を利用した新規高効率濃縮法の適用を試みた。例えば、試料溶液への分散性の高いインクジェット液滴を用いた分散液液マイクロ抽出を検討した。ドデカフルオロ-1-ヘプタノール含有液滴(0,19nL)を用いて水溶液(1mL)中の食品用色素(スルホローダミンB)を抽出したとき、総液滴量1.5μLで濃縮率(濃度比)3.9x10^3倍(RSD=1.3%、n=3)を達成した。
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Research Products
(3 results)