2009 Fiscal Year Annual Research Report
パッシブサンプラーを用いた多点観測によるガス状水銀の拡散と長距離輸送
Project/Area Number |
20510017
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
川上 智規 Toyama Prefectural University, 工学部, 教授 (10249146)
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Keywords | 大気中水銀 / 大気中水銀 / スパッタリング法 / インドネシア / 金精錬所 / 山岳地 / 長距離輸送 |
Research Abstract |
本研究では金スパッタリング法を用い、石英ろ紙上に強固な金皮膜を形成させ、既存のSOx用パッシブサンプラーの拡散プレートと組み合わせることによって、新しいガス状水銀(Hg(O))を対象としたパッシブサンプラーを開発することを目的としている。昨年までの研究で、スパッタリング法により、ろ紙上に均一な金皮膜を形成する条件を見出し、大気中の水銀濃度を多点で同時測定することを目的とした電源不要のパッシブサンプラーを開発することができた。このようにして作成したパッシブサンプラーを用い、インドネシア中央カリマンタン州の砂金採取が盛んな地域において金精錬所から大気中に放出される水銀の拡散状況を多点で同時に観測した。その結果、精錬所近傍では730ng/m^3と極めて高濃度の水銀が検出され、精錬所からの距離が遠くなるにつれ徐々に水銀濃度は低減し、5.8kmはなれた地点では22ng/m^3程度になっていたことが明らかになった。この結果は大気拡散シミュレーションの結果と矛盾するものではなく、パッシブサンプラーの有効性が確認できた。 このようにパッシブサンプラーを利用すると、電源の無い地域においても多点で同時に観測を実施することが可能であり、水銀の空間分布を詳細に把握することができる。今後は低濃度における定量性をより一層向上させ、山岳地域や離島において利用することによって、水銀の空間分布の解明と、長距離輸送の可能性を解明する。
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Research Products
(2 results)