2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510018
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
長門 研吉 Kochi National College of Technology, 機械工学科, 教授 (80237536)
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Keywords | 大気現象 / 地球変動予測 / エアロゾル |
Research Abstract |
本研究ではSO_2/H_2O/Air混合ガス中に有機化合物を加えてコロナ放電を行うことにより、ナノサイズの硫酸微粒子の生成・成長に対する有機化合物の影響について実験的に調べた。特に有機物としては近年大気中の微粒子生成への寄与が検討されているアミン(トリメチルアミン、TMA)を用いた。実験の結果、以下の知見が得られた。 1)SO_2濃度0.1ppm、H_2O濃度1000ppmを含む空気中で正極性の直流コロナ放電を行った。この条件では微粒子の生成は観測されなかったが、TMAを1.0ppm加えると微粒子の生成が起こった。また、TMAの濃度を3.0、5.0ppmと増加させるにつれて微粒子の生成量および生成した微粒子の粒子径は増大した。 2)帯電した微粒子と無帯電の微粒子の粒子径分布を別々に測定したところ、両者は良く似ていた。 3)同濃度のアンモニアを加えた場合にくらべて、TMAを加えた場合の方が、生成粒子量および生成粒子の粒径は大きかった。 以上より、TMAは硫酸クラスターに作用して微粒子を生成・成長させる作用があることが確認された。また微粒子の生成メカニズムとしては、イオンを核としたイオン誘発核生成よりも中性分子のみから起こる均一核生成が主要であることがわかった。アンモニアとの比較では、TMAは10倍以上の微粒子生成効果があることが示された。
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Research Products
(8 results)