2008 Fiscal Year Annual Research Report
石油流出時における日本沿岸環境プラスミドの海洋生態系に及ぼす影響評価手法の開発
Project/Area Number |
20510021
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
久留主 泰朗 Ibaraki University, 農学部, 教授 (60272118)
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Keywords | 石油分解菌 / フェナントレン / C-重油 / 16SrRNA / プラスミド |
Research Abstract |
初年度は日本周辺の海洋微生物群集、特に特定石油分解菌の分離を中心に本研究を実施した。主なサンプリング地点は、日本沿岸域の地理的・海流的な要素やタンカー事故対応等を考慮し、日本海側と太平洋側の3地点を設定し、 日本海側は富山湾、太平洋側は東京湾と茨城県鹿島沖に観, 測定点を設置し、平成20年と平成21年の2年間の試料採取を行うこととした。さらに季節変動を考慮し、3月と9月の年2回を実施した。分離方法は、各測定地点の表層海水をサンプリングし、その後の炭化水素分解菌の純粋分離に供した。採取した海水をAged Sea Waterにリンや窒素等の補助栄養塩を加え、炭化水素源としてC重油を添加した液で集積培養を行った後、炭化水素源を各種炭化水素に変更しそれを1種類ずつ添加した同組成寒天培地にて菌を分離した。現在、分離株についてプラスミド保有性試験と16SrRNA配列による同定、GCによる機能解析を実施中である。これまでのところ、分離された株には炭化水素分解性の報告されている系統群と高相同性を示すものが多かった。プラスミド保有性については、保有性と非保有性株の混在するグループもあったが、保有株のみが分離されたグループもあった。また分離株の保有していたプラスミドのサイズはそのほとんどが60kbp以上の大きなものだった。今後更に詳細な解析を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)