2010 Fiscal Year Annual Research Report
石油流出時における日本沿岸環境プラスミドの海洋生態系に及ぼす影響評価手法の開発
Project/Area Number |
20510021
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
久留主 泰朗 茨城大学, 農学部, 教授 (60272118)
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Keywords | プラスミド / Sphingomonad / Pseudomonas / 炭化水素分解遺伝子 / 16SrRNA |
Research Abstract |
最終年度は、前年度までに確認された小型(10個)から大型(25個)のプラスミドについて炭化水素分解遺伝子群の保持の有無、プラスミド維持に重要な安定分配能について解析することとした。分離株中のプラスミドについては、Pseudomonasは既に炭化水素分解遺伝子群の確認されているプラスミドが報告され、Sphingomonadは全ゲノムが解読されている種から染色体上に炭化水素分解遺伝子群が確認されているものが既に明らかにされている。そこで比較的分離株の中で多かったSphingomonadから炭化水素分解の初期反応に関与するmonooxygenaseとdioxygenaseのサブユニットをコードする遺伝子群の検出をPCR法により実施し,小型プラスミド保持株から1株、大型プラスミド保持株17株から検出されたことから、芳香族系炭化水素の分解能についても保持している可能性が示唆された。一方,プラスミド維持に重要な機能である安定分配機構については、スフィンゴモナス属既知株で芳香族系炭化水素分解能を有するSphingobium amienseとSphingobium yanoikuyaeの保持する各プラスミドから新規な構成からなる遺伝子群を同定した。これまで報告された同機構は、2つのタンパク質性遺伝子と1つのDNA配列から構成されている。今回同定したのは、1つのタンパク質性遺伝子と少なくとも2つのDNA配列から構成されるもので、これまで報告例が無い。さらに、同遺伝子群を全く別の菌株から分離したプラスミドから極めて相同性の高いものとして同定した。
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Research Products
(3 results)