2010 Fiscal Year Annual Research Report
爪・毛髪中鉛同位体比及び多元素マッピングによるヒト金属暴露評価法の開発
Project/Area Number |
20510029
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
今泉 幸子 日本女子大学, 理学部, 助手 (10247091)
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Keywords | 鉛同位体比 / 多元素マッピング / 毛髪 / 爪 / LA/ICP-MS |
Research Abstract |
毛髪試料については鉛同位体比測定およびマッピング、爪については鉛同位体比について検討を継続した。毛髪中でのマッピング可能な元素としてはMg、AL、Co、Cu、Zn、Se、Sr、Ag、Pbとし、これらについて標準試料を用いて半定量の検討を行った。毛髪成分中Znは毛髪の部分によらずカウント数にほとんど変動が見られなかったので、Znを基準の元素として、比計算による半定量を試みた。毛髪標準試料としてBCR CRM 397を用い、定量の標準(参照)試料としての有用性を検討した。毛髪標準試料0.2gを、錠剤成形器で100kgf/cm^2で10秒間加圧成形しペレット状試料に調製した。測定試料についてレーザーエネルギー1.7mJ、レーザースポット径300μm、レーザー照射回数20Hzでスペクトル測定を行ったところ、認証値の示されているMg、Cu、Zn、Se、Cd、Hg、Pbについて、RSD7~20%(5回測定)でカウント値の平均値が得られた。しかし、毛髪標準試料は扱いが困難であったので、生体試料で対象元素を多く含む脱脂乳を標準試料として用いた。MST SRM 1549を毛髪標準試料と同条件でペレット状試料とし、ICP-MSでスペクトル測定を行ったところ、良好な結果が得られた。しかし、カウント値による比計算で半定量を行うため、カウント値の安定性が求められるが、試料交換等により変動が起こるので、参照試料と実試料での測定は常に一対で行う必要がある。しかし、毛髪をそのままの状態で定量を行うには、さらに改良が必要であると考えられる。
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Research Products
(1 results)