2008 Fiscal Year Annual Research Report
対話型ベンチマーク手法に基づく環境統計・情報の収集改善策および利用活性策の提案
Project/Area Number |
20510032
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿部 直也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30323819)
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Keywords | 環境統計・情報 / ベンチマーク手法 / 環境政策 |
Research Abstract |
本研究の目的は、市民やユーザーのニーズを重視しつつ、環境行政に貢献できる環境統計・情報の収集方法や利用方法を検討し、提案することである。そのために、今年度は、複雑な環境統計・情報の収集実態および利用実態の把握などを図るために、情報収集及びヒアリング調査を実施した。具体的には、千葉県柏市の廃棄物政策課、鹿児島県屋久島町環境政策課、および新潟県元総務管理部・統計課の行政職員にお願いをして、情報収集およびヒアリング調査を行った。行政組織においては、具体的にどのような情報提供依頼が都道府県や他の市町村から来ているのかを把握したところ、問い合わせ内容は既存の統計資料に記載されているものが散見され、かならずしも情報の共有が社会において十分になされていないことがうかがえた(すなわち、既存の環境統計・情報はかならずしも十分に利用されていないことが示唆された)。また、多くの環境統計は一次統計などに依存する二次、三次統計であるため、一次統計の収集プロセスを理解するため、国→県→市町村という階層をつうじて情報収集の指示および取りまとめが行われる事例として、工業統計の手続き的流れを把握した。具体的には、新潟県において同統計の取りまとめを担当した職員に詳細なヒアリング調査をおこなった。その中でも、統計・情報収集の末端を支えている統計調査員の確保困難性が増してきていること、国→県→市町村という流れで統計を収集・作成するプロセスにおいて、各レベルで収集した情報のチェックに多大な労力と時間を要していることが確認された。環境統計・情報の利用活性策を検討する上で、その速報性を高めることは一つの方策であると予想されるが、こうした実態は大きな制約となることが改めて判明した。
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