2009 Fiscal Year Annual Research Report
「関係の連鎖」を認識させる環境情報の効果的な伝達に関する理論と応用
Project/Area Number |
20510033
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
本藤 祐樹 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (90371210)
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Keywords | 技術評価 / システム分析 / 環境配慮行動 / 環境教育 / 環境情報 / ミッシング・リンク / ライフサイクル思考 / 太陽光発電 |
Research Abstract |
本研究の最終的な目標は,持続可能な社会の構築に向けて,如何なる環境情報を社会の中に如何に埋め込んでいくべきかを明らかにすることである.平成21年度は,第1に「関係の連鎖」に着目した環境教育プログラムの開発と評価,第2に太陽光発電技術を題材とした「物」の情報伝達能力の分析を実施した. 1.ライフサイクル思考に基づき,個々人の日常生活と地球温暖化の「関係の連鎖(=つながり)」自体を情報として伝える環境教育プログラムの開発を平成20年度に引き続き実施した.このプログラムの核となるのは,学習者自らが,各々の所持品のライフサイクルCO2を計算し,行動変化がもたらすCO2排出量の増減を分析できる環境教育用LCAソフトウェアである.開発したプログラムの効果を明らかにするたに,神奈川県下の高校生を対象に試行し,質問紙調査によりデータを収集した.得られたデータを統計分析した結果,つながりの認識が,地球温暖化に対する責任感の向上を介し,環境配慮行動意図を高める可能性が示唆された.またLCAソフトウェアを用いた削減行動の疑似体験が,つながりや削減行動を「認識」するだけでなく「実感」することに寄与していることが推察された. 2.太陽光発電(PV)システムを設置した中学校において,入学後における生徒の環境意識や環境配慮行動の変化について分析した.PVシステムの設置校(4校)と非設置校(3校)に対して実施した質問紙調査の結果を分析することで,設置校に入学した生徒は,非設置校と比べて,入学後に環境配慮行動がより高まっている傾向を明らかにした.加えて,PVシステムという「物」の存在が「自分の学校がエコスクールである」という一種の「誇り(プライド)」を生み出し,生徒の環境配慮行動の向上に寄与している可能性が示された.
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Research Products
(7 results)