Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 義久 甲南大学, 経済学部, 教授 (50148607)
伴 ひかり 神戸学院大学, 経済学部, 教授 (70248102)
渡邉 隆俊 愛知学院大学, 商学部, 准教授 (00319831)
尹 清洙 長崎県立大学, 経済学部, 講師 (90433408)
|
Research Abstract |
われわれの研究課題は,課題(1)国内環境経済政策(環境税,排出量取引),課題(2)国際環境政策(クリーン開発メカニズム,自由貿易協定),課題(3)地球環境政策(地球温暖化防止の枠組み,水の国際利用の枠組み)の3つに分けられる. 課題(1)については,稲田・藤川・下田(研究協力者)が中国と日本を対象にしたエネルギーモデルを開発中である.そのモデルをもとに,環境税の効果やモーダルシフトの効果を分析する.来年度には学会等で報告できる見通しである. 課題(2)については,伴がGTAP-Eモデル及びGTAPデータベース(Ver.6)を用いて日中FTAのエネルギー効率とCO2排出量への効果を分析した.来年度にはVer.7のデータを用いて論文にする予定である.また,尹も2000年アジア国際産業連関表6国/地域(日本,アメリカ,中国,韓国,台湾,アセアン5)を用いて東アジアリンクCGEモデルを開発し,自由貿易協定の経済効果や厚生に与える効果を数量的に考察した.現在,動学モデルの開発も進めている. 課題(3)については,藤川・渡邉・叶(研究協力者)は,アジア太平洋地域での環境負荷の相互依存について,国際産業連関表を用いて,その時系列変化を検討した.かつて先進国は,アジア開発途上国への財の輸入元(供給側)と開発途上国からの財の輸出先(需要側)の両方の役割を持っていたが,現在は財の需要側の性格を強めつつある.つまり,先進国は財を輸入する一方で,環境負荷を輸出しているといえる.現在の京都議定書のGHG排出は財の生産地原則であるが,それに消費地原則をも加味することで,途上国でのGHG排出にも抑制圧力がかかることを実証的に示した.
|