2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20510036
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松下 和夫 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (20346034)
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Keywords | 地球温暖化 / 気候安全保障 / 環境ガバナンス / 京都議定書 / 国際枠組み / 持続可能な発展 / グローバリゼーション / エコロジカル・シチズンシップ |
Research Abstract |
本研究はこれまでの環境ガバナンス論研究の成果の上に立ち、現下の国際政治上の重要な課題となっている、「気候安全保障」に関し、環境ガバナンス論の観点から制度構築への諸課題と論点を明らかにしようとするものである。これまでの主な研究実績としては、(1)「気候安全保障論」の概念とその意義の研究、(2)これまでの「地球環境安全保障論」、「人間の安全保障論」等との関連における「気候安全保障論」の意味の同定がある。2011年度においては、気候安全保障論の一環としてのグリーンニューディール、COP16に向けた議論と国内法制制定の状況を検証し、2013年以降の国際気候変動枠組みにおける気候安全保障論の動向に関する研究を行った。また、参議院の国際・地球温暖化問題調査会での、気候安全保障に関する審議(2010年4月7日)に参考人として研究代表者が招致され、次のような内容の発表を行った。すなわち、気候安全保障に関する最近の国際的議論(英国ベケット外相演説(06.9)、中環審気候変動に関する国際戦略専門委員会報告(「気候安全保障に関する報告」(07.6)、独連邦政府気候変動諮問委(WBGU):「安全保障リスクとしての気候変動」(07)、米下院「米エネルギー・安全保障法案」(気候安全保障への言及)可決(09.6)等)をレビューし、そのうえで気候安全保障問題に関する我が国の取り組み方向に関する提案を行うものであった。これらに加え、気候安全保障との関連で、生物多様性、森林保全、グリーン経済に関する考察も進めた。
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Research Products
(11 results)