2009 Fiscal Year Annual Research Report
森林の持続可能性と林産物貿易に関する国際的枠組みについての政治経済学的分析
Project/Area Number |
20510038
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
島本 美保子 Hosei University, 社会学部, 教授 (70245629)
|
Keywords | 環境政策 / 林学 |
Research Abstract |
昨年度のリサーチから、多国籍企業のレントを計測する実証モデルを構築するにとが今年度の主要課題となった。そこで、まず年度の前半で、一般的な供給寡占と資源産業で特に問題になる原材料についての需要寡占についての理論・実証分析のレビューを行った。その結果、供給寡占や需要寡占についての理論的分析のみならず実証的分析についてそれなりの先行研究が存在することがわかった。特に後者の原材料についての重要寡占については、その典型として林産業について分析しているものがいくつかあることも発見した。 寡占価格の形成やレントの計測について、需要寡占をベースとしたモデルの中で、動学的にこれを求めているものがあった。これは、カナダの林産業について動学的な寡占価格形成の有無を検証しているもので、理論的には変分法を使っており、この手法を応用すれば動学的なレントの計測が可能ではないかと考えられる。 そこで、この論文をベースにレントの計測を試みるためのデータ収集を開始した。カナダの林産業の財務データ、費用データと生産・出荷データである。これらはすべてStatistics Canadaという政府のサイトに集約的に存在し、データの欠損はあるものの、およそ30年分収集できることがわかった。そこで、インターネットでアクセスし、木材加工業と紙パルプ産業について、財務データ、費用データ、生産・出荷データを有料でダウンロードした。 今後、上記の論文の枠組みを基礎に、レント計測のモデルを構築し、これらのデータを用いて、実際に推定を行うのが、次年度の課題と考えている。
|
Research Products
(1 results)