Research Abstract |
1.ドイツEEGによる太陽光発電普及策の制度設計:(1)、EEGによるFeed-in-Tariffの普及効果は極めて高い.2004年以降のEEGの買取価格の引き上げにより,日照条件のよい地域では,売電収入は,発電原価を回収できる水準にある.EEGは太陽電池需要の拡大を通じて,ドイツの太陽電池システム価格を急速に下落させている,現在の太陽光発電システム価格の回収年数は,約9.6年である.ドイツ市場のシステム価格は,近年,年率7-8%程度で下落しており,EEGの買取価格の低減率にほぼ対応している.標準家庭におけるEEG分担金は,一ヶ月の電気料金の5%程度である.(2)、関係者ヒアリングから,次の点を確認した.太陽電池システム価格の低下を実現するには,第一に,市場規模の拡大が必要である.市場規模の拡大には,投資者から見て,太陽光発電が収益性,投資魅力性を持つことが不可欠である.そのためには,太陽光発電において,預金金利よりも高い収益性が可能になる程度に,買取り価格が高くなければならない.ドイツの2004年以降の買取価格は,預金金利よりも高い収益性を可能にする水準で設定された. 2.ドイツのFeed-in-Tariffによる太陽光発電産業への経済効果:(1)、BSW,Saxony Anhalt州の投資コンサルタント会社IMG社,Juwi社ヘヒアリング調査を行った.(2)、EUおよびドイツ政府による旧東ドイツ地域に対する投資誘致補助金は,Q-Cells,First Solarなどの新興太陽電池メーカーの急速な成長の促進剤であり,極めて多額の補助金が投入されている.Saxony-Anhalt州Sonnen Alleeに進出した太陽電池企業のほぼ全てが,この投資誘致補助金を得ている.(3)、2007年時点で,ドイツ太陽電池メーカーの設備投資は18.6億ユーロ,雇用数は4万2600人に達した.
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