2009 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン様タンパク質SUMO-3によるX線誘導DNA合成の分子機構
Project/Area Number |
20510049
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
菅谷 茂 Chiba University, 大学院・医学研究院, 助教 (90334177)
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Keywords | SUMO-2 / 3 / NM23-H1 / X線 / DNA合成 / ヒト細胞 / PCNA / 2次元電気泳動 / siRNA |
Research Abstract |
細胞のDNA合成レベルが放射線照射後低下することは、生物種を問わない不変の現象である。ところが、X線照射後にDNA合成レベルが上昇するという奇異な現象をゴーリン患者由来細胞で我々は見出した(Fujii et al., Biochem. Biophys.Res.Commun.240, 269-272, 1997)。さらに、ゴーリン患者由来細胞において、X線照射後に発現レベルが低下する遺伝子として、ユビキチン様タンパク質SUMOを同定し、正常ヒト細胞においてアンチセンスオリゴ処理によりSSUMO遺伝子の発現を抑制すると、X線照財後にDNA合成レベルの上昇することを見出している(Mutat.Res.578, 327-332, 2005)。HeLa細胞においても、SUMOのSiRNA処理により、SUMO遺伝子の発現を低下させると、X線照射による合成の誘導現象を再現させることに成功している。そこで、X線照射後に細胞内含有量が変動するタンパクを2次元電気泳動法による網羅的解析で探索したところ、複数のタシパク質の変動が見られたが、その中に、腫瘍転移抑制因子として知られるNM23-H1タンパクが減少することを見出した。NM23-H1遺伝子のsiRNA処理により、発現を抑制させると、X線照射後にDNA合成の増大見られた。さらに、ウェスタンブロッティング解析より、SUMO遺伝子の発現を抑制した細胞において、X線照射後のNM23-H1タンパクの減少を確認できた。また、NM23-H1のsiRNA処理により、X線照射によるDNA合成の誘導現象がみられた。一方、SUMOタンパクを過剰発環させた細胞では、X線照射後にNM23-H1タンパクのSUMO化がみられた。以上の結果から、X線照射後のSUMOが関わるDNA合成上昇にNM23-H1も関わることが示唆された。 さらに、NM23-H1のSiRNA処理した細胞では、X線照射にPCNAの発現の増大が見られたことから、PCNAを介したDNA合成機構にSUMOが関わることが示唆された。
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[Journal Article] Anti-proliferative and apoptosis-inducible activity of labdane and abietane diterpenoids from the pulp of Torreya nucifera in HeLa cells2010
Author(s)
Chen, S-P., Dong, M., Kita, K., Shi, Q-W., Cong, B., Guo, W-Z., Sugaya, S., Sugita, K., Suzuki, N.
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Journal Title
Peer Reviewed
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[Journal Article] Anti-proliferative and apoptosis-inducible activity of Sarcodonin G from Sarcodon scabrosus in HeLa cells2009
Author(s)
Dong M., Chen S., Kita K., Ichimura Y., Guo W., Lu S., Sugaya S., Hiwasa T., Takiguchi M., Mori N., Kashima A., Morimura K., Hirota M., Suzuki N
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Journal Title
Int.J.Oncol. 34
Pages: 201-207
Peer Reviewed
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