2009 Fiscal Year Annual Research Report
RAD18によるDNAポリメラーゼXファミリー制御の分子メカニズム
Project/Area Number |
20510053
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 智 Kumamoto University, 発生医学研究所, 講師 (00227109)
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Keywords | Rad18 / ユビキチン / 53BP1 / 細胞周期調節 |
Research Abstract |
DNA損傷はDNA複製を停止させ、発がんまたは細胞死の原因となる。細胞におけるDNA修復能力は完全ではないため、DNA複製されている鋳型鎖に未修復の損傷が残存し、DNA複製が停止してしまう場合がある。複製が停止した危険な状況を回避するシステムが「損傷トレランス」であり、その破綻は染色体の不安定化を介して発癌または細胞死の原因となる。DNA損傷のため停止した複製フォークにポリメラーゼηはリクルートされ、通常のポリメラーゼと置き換わることにより損傷乗越え複製を開始する。RAD18は、ポリメラーゼηと相互作用しPCNAのモノユビキチン化することにより損傷トレランスを制御するモデルをこれまで報告してきた。放射線照射により切断されたDNA損傷部位にRAD18が集積し、53BPIの1268番目のリジンに対してユビキチン分子を付加する活性を示した。このリジン残基を変異させた53BP1は、DNA二重鎖切断部位に集積する効率が低下していた。RAD18欠損細胞および53BP1欠損細胞は、G1期に高い放射線感受性を示し、2つの遺伝子は同じ遺伝学的経路にある。RAD18はDNA二重鎖切断部位に集積し、53BPIのモノユビキチン化を介して、損傷を修復するモデルを提唱した。また、細胞周期調節遺伝子とRad18遺伝子を欠損するマウスを作成した。このマウスから得られた細胞は、増殖効率が低下しており、また癌遺伝子であるRasの導入により、細胞老化が誘導され増殖が抑制されることがわかった。
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Research Products
(5 results)