2010 Fiscal Year Annual Research Report
RAD18によるDNAポリメラーゼXファミリー制御の分子メカニズム
Project/Area Number |
20510053
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
立石 智 熊本大学, 発生医学研究所, 講師 (00227109)
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Keywords | Rad18 / Xファミリー複製酵素 / ポリメラーゼμ / ポリメラーゼλ / 電離放射線 / DNA修復 / NHEJ |
Research Abstract |
Rad18は、PCNAをユビキチン化修飾することを介して、Yファミリーに属する損傷乗越え複製酵素ηを制御している。哺乳類細胞内で、Rad18とDNA複製酵素X FAMILYに属するPolλまたはμとの相互作用を調べた。その結果、Rad18とPolλは細胞内で結合していることがわかった。この結合は、細胞への電離放射線の照射(IR)により減少する傾向がみられた。このとき特にモノユビキチン化修飾されたRad18とPo1λが結合していた。Po1λのBRCTドメインは結合に関与していなかった。むしろBRCTドメインを欠失したPo1λは、Rad18との結合が強くなっていたことから、このドメインは結合を抑制していることが示唆された。Radl8とPolμとの細胞内での結合もみることができた。細胞にIR処理をすることにより、結合が増強していた。無修飾およびモノユビキチン化されたRad18の両方が結合に関与していた。Polμには、BRCTドメインがある。させたBRCTドメインを欠失させたPolμでもRad18との結合が確認されたため、このドメインは両者の結合には関与していないと考えられる。IR処理後に細胞内でRad18とPo1μのフォーサイがみられ、部分的に局在が一致していた。DNA複製酵素X FAMILYは、NHEJで重要な役割を果たしているため、これらの因子がどのように関与しているのか調べている。Rad18を欠失させた細胞は、細胞周期をG1にシンクロさせたときに、わずかにX線感受性がみられたことから、Rad18とDNA複製酵素X FAMILYは、やはりMHEJで重要な役割を果たしている可能性が高いと考えられる。
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