2009 Fiscal Year Annual Research Report
モノユビキチン化53BP1による非相同末端結合修復制御機構の解明
Project/Area Number |
20510056
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
岩淵 邦芳 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (10232696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 光止 金沢医科大学, 医学部, 助教 (70293975)
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Keywords | 分子生物学 / 核 / DNA二重鎖切断 / 放射線 / 修復 / ユビキチン / 53BP1 / Rad18 |
Research Abstract |
53BP1は、既知のKu70/80/DNA-PKcs経路、ATM/Artemis経路とは異なる経路で、G1期細胞の非相同末端結合修復に関与している。昨年度、E3ユビキチンリガーゼRAD18がG1期にのみ53BP1依存的にDNA二重鎖切断部位に集積することを見出した。遺伝学的解析から、Rad18はG1期細胞で53BP1の関与する修復経路で機能していることが示唆された。さらにRad18による、53BP1の1268番目のリジン残基のモノユビキチン化が、53BP1のDNA二重鎖切断修復活性調節に重要であることが分かった。Rad18遺伝子欠損細胞は、G1期にX線感受性が亢進するのに対して、紫外線に対してはS期に感受性が亢進した。このことから、Rad18は、異なったDNA損傷に対してG1期とS期で異なった機能を発揮していることが考えられた。そこで本年度は、DNA損傷発生時のRad18複合体が、異なったDNA損傷、異なった細胞周期でどのように変化するかを明らかにすることとした。HeLa細胞を用いてFlag-HAタグ付きRad18を恒常的に発現する細胞株を樹立した。細胞周期同調後に、X線あるいは紫外線照射し、その後Rad18複合体を免疫沈降で回収した。G1期にX線照射した細胞と、S期に紫外線照射した細胞とで、Rad18結合蛋白質のパターンが異なっていることが確認された。現在、いくつかのRad18結合タンパク質の同定を試みている。
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