2008 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモン受容体とオーファン受容体相互作用への環境化学物質の影響
Project/Area Number |
20510061
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岩崎 俊晴 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 講師 (80375576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 典之 群馬大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80234681)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / オーファン受容体 / 環境化学物質 / 脳発達 / 相互作用 |
Research Abstract |
1.RORによるTR作用活性化機構の解明:コレステロールシグナリングに関連した核内ホルモン受容体RORのホルモン応答配列に対する影響及び、環境化学物質の影響を解析した。環境化学物質の脂質シグナルへの影響を解析することで、環境化学物質の脳発達に対する影響が解明されることが期待される。この目的のために、多くの神経細胞で共発現しているTRとRORの相互作用をRORE及び甲状腺ホルモン応答配列(TRE)を用いて解析した。レポータージーンアッセイではR/TREの系に対してRORはコアクチベーター的に作用し、一般の核内ホルモン受容体に見られるドミナント・ネガティブ効果ではなかった。転写活性なfull length TR(fTR)はfRORと相加的に活性化するが、RORsg(スタグラータイプの変異)では活性化を示さない。In vitro結合アッセイでは、fTRはfRORともRORsgともりガンドに関係なく直接結合した。TR-ligand binding domain (LBD)はRORと結合しなかった。また、ROR-LBDもTRとは結合しなかった。以上からTRとRORは直接結合し、転写活性にはLBDではなく比較的長い領域が必要であることが示唆された。 2.臭化物化合物のTR-TRE系への影響:レポータージーンアッセイ、Liquid Chemi-luminescent DNA pull down法(LCDPA)、ラットPurkinje初代培養細胞を用いて環境化学物質のTRへの影響の解析を進めた。臭化物化合物ではTRに対して弱い転写抑制効果を示したが、その程度は構造から予測することはできなかった。また、この抑制はコファクターとの相互作用の変化というよりむしろ、TR-TREの部分的解離が原因であることがLCDPAから示唆れた。以上から、新たなスクリーニング系の開発が望まれた。特に、脳発達毒性の評価を行う目的で我々はin cellのスクリーニング系としてPurkinje初代培養細胞を用いた系立ち上げ、現在評価できる環境が整った。また、蛍光免疫組織法を用いて生細胞におけるTRの動態を観察できる環境が整ったので、今後TRがTREから解離した後の動きなどもリアルタイムで観察する予定である。
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Research Products
(12 results)