2008 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺系攪乱化学物質の細胞外蛋白質への結合形態と細胞への取り込み機構の解析
Project/Area Number |
20510062
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山内 清志 Shizuoka University, 理学部, 教授 (50201827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 顕紀 静岡大学, 理学部, 助教 (70432193)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 内分泌撹乱 / 化学物質 |
Research Abstract |
甲状腺ホルモン輸送に関与する血清中のトランスサイレチン(TTR)は、フェノール性化学物質を特異的に結合することが、明らかとなっている。TTRを介した甲状腺系の撹乱が示唆されているが、撹乱に及ぼすTTRの役割は明確になっていない。そこで、甲状腺系撹乱の疑いがある化学物質の血清タンパク質への結合状態を検討する目的で、ニワトリの血清と化学物質を混合し平衡化を行ったのち、ゲルクロマトグラフィーで分画した。その各画分の蛋白質結合型化学物質を有機溶媒で抽出しHPLCで定量した結果、TTR結合が確認できる化学物質と結合が確認できない化学物質があった。同様の結果は、化学物質によるTTRへの[^<125>I]T_4結合の競合阻害においても認められた。これらの結果は、化学物質は多種の血清タンパク質と相互作用し、それぞれの結合親和性と結合部位数によってその分布を決めていることを示唆した。次に、化学物質の血清タンパク質への結合形態を明確にする目的で、化学物質をクロラミンT法で[^<125>I]ラベルを行い、血清タンパク質と標識化学物質の相互作用を直接観察した。フェノール性の化学物質は、生物種によって血清タンパク質との結合の程度、結合するタンパク質の種類が異なり、化学物質の血液から組織への移行に影響するものと思われる。 これらの知見を元に、化学物質の組織分布を調べ、化学物質が組織特異的に移行するかどうかを検討する計画である。
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Research Products
(4 results)