2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニトロソ化アミノ酸のUVA光増感で生じるNOの核酸・蛋白修飾と生体システム撹乱
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20510064
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
有元 佐賀惠 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90212654)
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Keywords | DNA修飾 / 近紫外光 / 一酸化窒素 / アミノ酸修飾 / 8-オキソデオキシグアノシン / デオキシイノシン / ニトロソチロシン / 光変異原性 |
Research Abstract |
[研究目的]申請者は作業仮説として、「生体内で生成したN-ニトロソ化アミノ酸が長波長紫外線に対する内在性光増感剤となり、活性中間体経由、もしくはエネルギー移動によりDNAに傷害を与える。また、内在性解ニトロソ化アミノ酸がNOラジカルやアルキルカチオンラジカルの運搬体として働き、照射部位で放出する。ひいては急性の皮膚傷害や光発癌にも関与する」と考えた。 [成果]この作業仮説に基づいて、a)細胞膜や皮下脂肪中での光反応解析のためのモデルとして、内在性のニトロソ化アミン酸N-ニトロソプロリン(NPRO)の脂肪酸(オレイン酸・リノール酸・トリオレイン)溶液にUVA照射したところ、水溶液と同様に光変異原性が生じ、同時にUVA照射によりNPROからNOが遊離されることが分かった。また、馬血清およびヒト血清に溶解したNPROからもUVA照射によりNOが遊離されることが分かった。オレイン酸中のNPROの光変異原性はNPROのUV吸収曲線に対し波長依存性があり、NPROが光吸収体として働いていることが確認できた。光反応生成物は、光変異原性の半減期が室温で24時間であり、比較的不安定であることが分かった。 b)発生するNOラジカルやアルキルカチオンラジカルとDNAとの反応解析を行なうため、DNAのモデルとしてデオキシアデノシン(dA)を選び、ニトロソプロリン存在下UVA照射し、光反応生成物の解析を行なったところ、デオキシイノシンならびにdAの2位に置換した付加体(R)-, (S)-2-(2-pyrrolidyl-2'-deoxyadenosineが生じることが分かった。光付加体生成はNPROのUV吸収に対し波長依存性があり、NPROが光吸収体として働いていることが確認できた。光増感反応による光産物生成は溶液の窒素置換により増強され、酸素置換ではむしろ抑制されたため、光反応機構はtype Iの電荷移動によると考えられる。 [考察]太陽光や近紫外光により、体内の水環境・脂質環境を問わず、照射部位でニトロソプロリンが分解し、DNAやその他核酸化合物に損傷を引き起こす可能性がある。
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Research Products
(5 results)