2009 Fiscal Year Annual Research Report
解毒代謝経路の探求 -経路で働く新規遺伝子の発見とその機能解析
Project/Area Number |
20510069
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
三輪 錠司 Chubu University, 応用生物学部, 教授 (80321686)
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Keywords | Caenorhabditis elegans / 異物代謝 / GST / 遺伝学 / 経路 / アクリルアミド |
Research Abstract |
環境汚染物質や食品危害物質、病原性細菌、さらには好気呼吸の過程で代謝副産物として生成される活性酸素種などの異物は、DNAや細胞、組織などを傷つける。こうした損傷が老化を早め、様々な病気の原因になると考えられている。これら生体異物を除去する主要酵素のひとつにGST(Glutathione S-transferase)が挙げられる。本研究では、モデル生物である線虫Caenorhabditis elegans(以下、線虫)の分子遺伝学的手法を駆使し、生体異物に応答して発現するGSTの発現経路を明らかにしてゆく。 これまで、生体異物に対して応答するGST発現に異常をきたした変異体を独立に23株分離し、4つの遺伝子グループxrep(xenobiotic responsive gene)-1(16株),-2(5株),-3(1株),-4(1株)に分けることができた。xrep-1遺伝子については同定を完了し、GST発現制御における働きについてまとめ、論文投稿中である。さらにxrep-3遺伝子についても同定が完了し、その働きを調査中である。残り2つの遺伝子xrep-2と-4については、SNP(Single Nucleotide Polymorphism)マッピング法およびレスキュー法をおこない、同定を目指している。このように線虫の遺伝学を利用することで、GST発現経路にかかわる新規遺伝子を見つけることができ、発現経路上におけるそれら遺伝子の役割を調べることができる。同定したxrep-1および-3の遺伝子は、ヒトやマウスといった哺乳類にも同様の働きをするものが存在することがわかった。線虫で明らかとなったGST発現経路は、そのままヒトへもあてはめられることが大いに期待できる。
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Research Products
(10 results)